GREATEST HITS! ~ベスト・アルバムをレコードで聴いてみよう!
「好きなアーティストの楽曲をレコードで聴いてみたい!」
・・・と思ったものの、キャリアが長いアーティストの場合は、どのアルバムから手を出してよいのか迷ってしまうことがありますよね。有名なシングル曲や、名盤と呼ばれるアルバムがいくつもある場合は特に。
そんなとき、ヒット曲や代表曲を網羅したベスト・アルバムが出ていると、非常に助かります。
EARTH, WIND & FIRE 『THE BEST OF EARTH, WIND & FIRE VOL. I』 LP (25AP 1190) / Japan / 1978
1978年にリリースされた『THE BEST OF EARTH, WIND & FIRE VOL. I』の国内盤LP。
70年代半ばに発表されたヒット曲群に、3曲の新録曲を加えたEW&F初のベスト・アルバムは、米ビルボードの週間アルバムチャートで6位を記録しています。
EARTH, WIND & FIRE 『THE BEST OF EARTH, WIND & FIRE VOL. II』 LP (OC 45013) / US / 1988
そしてこちらは、1988年に発売された『THE BEST OF EARTH, WIND & FIRE VOL. II』のUS盤LP。こちらには新曲として「Turn on (The Beat Box)」が収録されていますね。
個人的には初めて買ったEW&Fのレコードです。「Let’s Groove」や「Fantasy」「Boogie Wonderland」といった誰もが知る大ヒット曲を聴くことができるので、入門編として最適でした。
名バラード「After the Love Has Gone」を知ったのも、このLPです。
ということで今回は、ベスト盤やグレイテスト・ヒッツ、コンピレーション・アルバムと呼ばれる作品のレコードを紹介しますので、どうぞお付き合いください。
このコラムが、レコード生活を始めるきっかけになれば幸いです。
目次
新曲や未発表曲を加えたベスト・アルバム
EW&Fの2作品のように、書き下ろしの新曲や未発表音源を収録したベスト・アルバムが制作されることは珍しくありません。フルアルバムをすべて所有しているような熱心なファンも、それらの楽曲を目当てに購入してくれますからね。
でも、そのおかげで貴重な音源が公開されるのです。聴き逃すわけにはいきません。
■AALIYAH 『I CARE 4 U』
AALIYAH 『I CARE 4 U』 2LP (0146091ERE) / UK / 2003
2001年8月25日に夭逝したアリーヤのコンピレーション・アルバム『I CARE 4 U』。彼女の死後に制作されたもので、CDが2002年、アナログ盤が2003年にリリースされています。
遺作となった3rdアルバム『AALIYAH』に採用されなかった6曲の未発表曲を収録。大ヒットした「Miss You」を筆頭に、いずれも素晴らしい曲ばかりです。
存命中に発表されなかったことが悔やまれますが、これらの楽曲が日の目を見たことはファンとして嬉しい限り。
■RHYMESTER 『THE R 〜The Best of RHYMESTER 2009-2014〜』
RHYMESTER 『THE R 〜The Best of RHYMESTER 2009-2014〜』 3LP (KSJL6175~7) / Japan / 2014
日本語ラップ界の重鎮として活躍するRHYMESTERが、結成25周年を記念してリリースした『THE R 〜The Best of RHYMESTER 2009-2014〜』(2014年)。 アナログ盤は3枚組です。
2009年から2013年に発表された楽曲に、新録と未発表音源を加えた17曲入りのベスト・アルバム。CDしか発売されなかった『マニフェスト』(2010年2月)や『POP LIFE』(2011年3月)、『フラッシュバック、夏。』(2011年7月)の楽曲をレコードで聴くことができるので、重宝しています。
鍵盤奏者のSWING-Oを迎えて再録された「ちょうどいい」と「It’s A New Day」のピアノ・セッションや、SCOOBIE DOとの未発表セッション「This Y’all, That Y’all」を収録しているので、RHYMESTERファンは必携!
ジャケットも重要!
■STEVIE WONDER 『STEVIE WONDER'S ORIGINAL MUSIQUARIUM I』
STEVIE WONDER 『STEVIE WONDER’S ORIGINAL MUSIQUARIUM I』 2LP (VIP-4~5) / Japan / 1982
1982年に発売された『STEVIE WONDER’S ORIGINAL MUSIQUARIUM I』。このベスト盤にも「Front Line」「Ribbon in the Sky」「That Girl」「Do I Do」の4曲が、新曲として収録されています。
スティーヴィー・ワンダーが自ら選曲した70年代以降の名曲と書き下ろし曲で構成された2枚組のベスト・アルバム。絶頂期のスティーヴィーを十二分に堪能できるベスト盤として、まっ先に推薦したいレコードです。
しかし、こちらをご覧ください。
■STEVIE WONDER 『STEVIE WONDER'S GREATEST HITS』
STEVIE WONDER 『STEVIE WONDER’S GREATEST HITS』 LP (STMA 15002) / Singapore, Malaysia, Hong Kong & Thailand / 1974
60年代から70年代前半までの楽曲で構成されたベスト・アルバム。ジャケが最高です!
1974年にアジア圏でリリースされたものらしく、ジャケット裏面にSingapore、Malaysia、Hong Kong、Thailandのクレジットを確認することができます。
『ORIGINAL MUSIQUARIUM I』のように新曲が収録されているわけではありませんが、ジャケットがカッコいいので迷わず購入しました。いわゆるジャケ買いですね。
もちろん「初めてスティーヴィー・ワンダーを聴いてみよう!」という方にお薦めしたいのは『ORIGINAL MUSIQUARIUM I』ですが、この素晴らしいジャケットを皆さんにもご覧いただきたくて掲載しました。
■ASTRUD GILBERTO 『THE ESSENTIAL ASTRUD GILBERTO』
ASTRUD GILBERTO 『THE ESSENTIAL ASTRUD GILBERTO』 LP (VRV 6) / UK / 1984
思わずジャケ買いしたくなるベスト・アルバムといえば、このLP。
1984年にリリースされたアストラッド・ジルベルトのUK編集盤。「The Girl from Ipanema」「Água de Beber」「So Nice (Summer Samba)」といった有名曲が収録されているので、ボサノヴァの入門編としても推薦したいレコードですね。
スタイリッシュなアートワークを手がけているのは、サイモン・ハルフォン。THE STYLE COUNCILやポール・ウェラーのジャケットを担当している人気デザイナーです。
コレクターズ・アイテム
ベスト・アルバムを買うときに重要視するのは収録された楽曲だと思いますが、それ以外の要素に惹かれてしまうケースがあることは前述したとおり。
コレクターズ・アイテムとして入手したくなるベスト盤もありますよね。
(マニアの方々には頷いていただけるのではないでしょうか)
■THE ROLLING STONES 『THROUGH THE PAST, DARKLY (BIG HITS VOL. 2)』
THE ROLLING STONES 『THROUGH THE PAST, DARKLY (BIG HITS VOL. 2)』 LP (NPS-3) / US / 1969
THE ROLLING STONESが1969年にリリースした八角形ジャケットのベストアルバム『THROUGH THE PAST, DARKLY (BIG HITS VOL. 2)』。
このような特殊ジャケットのレコードは、コレクター心をくすぐります。
■BLACK SABBATH 『THE BEST OF BLACK SABBATH』
BLACK SABBATH 『THE BEST OF BLACK SABBATH』 LP (FD-94) / Japan / 197?
70年代初頭に発売された『THE BEST OF BLACK SABBATH』。日本フォノグラムが編纂したベスト盤です。
帯や日本独自のアートワークが秀逸で、コレクター心がくすぐられますよね。
コレクターズ・アイテム化したレコードは、高値で取引されているものが数多くあります。
手ばなす際は、MIONアップサイクルにぜひご連絡ください!
著名な選曲家が編纂したコンピレーション・アルバム
有名なDJやアーティスト、音楽ライターが手がけたコンピレーション・アルバムも人気があります。
選者の嗜好が反映されたものが多く、ヒット曲を並べたベスト・アルバムとはひと味違う選曲を楽しむことができますからね。
■GILLES PETERSON PRESENTS SUN RA AND HIS ARKESTRA 『TO THOSE OF EARTH... AND OTHER WORLDS』
GILLES PETERSON PRESENTS SUN RA AND HIS ARKESTRA 『TO THOSE OF EARTH… AND OTHER WORLDS』 2LP+2CD (STRUT125LP) / UK / 2015
世界で最も影響力のあるDJといわれるジャイルス・ピーターソンの選曲によるサン・ラーのコンピレーション・アルバム。なんと2LP+2CDです!
80年代よりDJ、レーベル・オーナー、フェスの主催者として活躍するジャイルスが監修した作品ということで、大きな話題を呼びました。
■キリンジ 『フリー・ソウル・キリンジ ~Redlight Edition~』
キリンジ 『フリー・ソウル・キリンジ ~Redlight Edition~』 LP (WQJL-92) / Japan / 2014
『Free Soul』をはじめとするコンピレーション・シリーズや、伝説のフリーペーパー『サバービア・スイート』を手がけた選曲家の橋本徹がコンパイルした『フリー・ソウル・キリンジ ~Redlight Edition~』。
「エイリアンズ」や「君の胸に抱かれたい」「双子座グラフィティ」といったワーナー在籍時代(1998〜2002年)の人気曲を収録。橋本徹が手がけた本作はキリンジ・ファンのみならず、フリー・ソウル・ファンからも注目を集めました。
なお、同時発売された『フリー・ソウル・キリンジ ~Bluelight Edition~』は、2003年以降のEMI〜コロムビア在籍時代の楽曲で構成されています。
■CLÉMENTINE 『CAFÉ APRÈS-MIDI CLÉMENTINE』
CLÉMENTINE 『CAFÉ APRÈS-MIDI CLÉMENTINE』 promo LP (XDJS 93225) / Japan / 2001
『Free Soul』と並ぶ橋本徹の人気コンピレーション・シリーズ『CAFÉ APRÈS-MIDI』(カフェ・アプレミディ)からも1枚紹介しておきましょう。日本で絶大な人気を誇るフランス人シンガー、クレモンティーヌのレコードです。
シリーズ初のアーティスト盤として2001年に発売された『CAFÉ APRÈS-MIDI CLÉMENTINE』のCDから、10曲抜粋されたプロモーション用LP。
アナログ盤は一般発売されていないので、欲しい方は根気よく探してみてくださいね。
■TERRY CALLIER 『TOKYO MOON』
TERRY CALLIER 『TOKYO MOON』 LP+CD (MNGP-017) / Japan / 2018
DJ/音楽ライターの中村智昭が編纂したテリー・キャリアーのコンピレーション・アルバム『TOKYO MOON』。イギリスのMr BongoからCDオンリーで発表された楽曲で構成されています。
渋谷Bar Musicの店主としても知られる中村智昭は、橋本徹が経営するカフェ・アプレミディの元店長です。
アナログレコード・プレスメーカーの東洋化成が主催する『レコードの日』の限定商品として2018年にリリースされた本作には、LPと同内容のCDが封入されていました。
2022年には、再び『レコードの日』の限定商品として「Truth in Tears 2」を追加収録した没後10年/2ndプレス・スペシャル・エディションが発売されています(こちらはLPのみ)。
アルバム・タイトルに起用された名曲「Tokyo Moon」や、2000年にロンドンのJazz Caféで録音された「Ordinary Joe」のライブ・テイクをレコードで聴けるのは本作だけなので、お買い逃しなく。
初のフルアルバムにしてベスト・アルバム
シングルを数多く発表してきたアーティストが、それらを集めたベスト盤的な内容のフルアルバムを発表するケースもあります。
■MUDDY WATERS 『THE BEST OF MUDDY WATERS』
MUDDY WATERS 『THE BEST OF MUDDY WATERS』 LP (PLP-801) / Japan / 1983 Reissue
“シカゴ・ブルースの帝王”と称されるマディ・ウォーターズが、1958年に発表した『THE BEST OF MUDDY WATERS』。
1948年から1954年にリリースされたシングルから12曲選出されたベスト・アルバムであり、実質上の1stアルバムでもある作品です。
私が所有しているのは、1983年に発売された国内盤LP。決して貴重なレコードではありませんが、ブルースを語る上で欠かすことのできない大名盤なので掲載しました。
■ILLMATIC BUDDHA MC'S 『病める無限のブッダの世界 ~BEST OF THE BEST (金字塔)~』
ILLMATIC BUDDHA MC’S 『病める無限のブッダの世界 ~BEST OF THE BEST (金字塔)~』 3LP (76LP00000) / Japan / 2000
2000年に発表されたBUDDHA BRAND初のフルアルバムにしてベスト・アルバム。
先行して発売された2枚組CD+7インチはBUDDHA BRAND名義でしたが、こちらの3枚組LPはILLMATIC BUDDHA MC’S名義でリリースされています。
「人間発電所」や「ILL伝道者」「ブッダの休日」「Don’t Test Da Master」といった人気曲を収録した正真正銘のBEST OF THE BESTであり、日本語ラップの金字塔。タイトルに偽りなし。
■ILLMATIC BUDDHA MC'S 『病める無限のブッダの世界 ~BEST OF THE BEST (金字塔)~ Inst Album』
ILLMATIC BUDDHA MC’S 『病める無限のブッダの世界 ~BEST OF THE BEST (金字塔)~ Inst Album』 3LP (HBLP00000) / Japan / 2000
トラックメイカーとしてのDEV LARGEの魅力を十二分に堪能できるインスト盤も必聴です。
ちなみに、レコードに貼ってあるマーキングシールは、RHYMESTERのDJ JINさんによるもの。
2015年5月4日にご逝去されたDEV LARGEさんの追悼イベントに、RHYMESTERが出演。ブッダのレコードを2枚使いするために、私のレコードも使用していただきました。
謹んで哀悼の意を表します。
■ぷにぷに電機 『創業』
ぷにぷに電機 『創業』 LP (PNDN-010-12) / Japan / 2023 Repress
ぷにぷに電機が2022年に発表したフルアルバム『創業』のアナログ盤。
インターネットを中心に活動し、配信プラットフォームのプレイリスト/チャートを賑わせているシンガー兼音楽プロデューサーの1stアルバムにしてベスト・アルバムです。
私が所有しているのは、2023年1月18日に再販されたリプレス盤。2022年12月3日に出た初回プレスは即完売しています。
インディーズ・レーベルPARKからリリースされた「君はQueen」「ラスト・サマー」「残照」などの楽曲をアルバム用にリマスタリングを施し、新曲「Night Session」を加えた計10曲を収録。
Mikeneko Homeless、PARKGOLF、80KIDZ、Yohji Igarashi、Shin Sakiura、Kan Sanoといった新進気鋭のアーティストたちと作り上げた名曲の数々を堪能することができます。
なお、本作は「竹紙ジャケ」仕様。環境に配慮し、原料として九州の放置竹林の竹が使用されています。
祝! アナログ化
ここ数年来の世界的なレコードブームのおかげで、CD最盛期に発表された作品のアナログレコードが初めて制作されるケースが多々あります。
オリジナル・アルバムはもちろん、ベスト盤のアナログ・リイシューも大歓迎!
■ENYA 『THE VERY BEST OF ENYA』
ENYA 『THE VERY BEST OF ENYA』 2LP (0825646467648) / Europe / 2019 Reissue
“世界を癒す奇跡の歌声” と称されるエンヤが、2009年に発表したベスト・アルバム。
「Orinoco Flow」「Only Time」「Anywhere Is」「Amarantine」といった人気曲を収録した本作のアナログ盤は、2017年に初めて制作されています。
私が所有しているのは、Warner Bros. RecordsからWarner Recordsに名称が変更された2019年に発売された2LP。ラベルやジャケット裏面にWarner Recordsのロゴが入っています。
■AALIYAH 『ULTIMATE AALIYAH』
AALIYAH 『ULTIMATE AALIYAH』 3LP (ERE678) / US / 2022
2005年に発表されたアリーヤ2作目のコンピレーション・アルバム『ULTIMATE AALIYAH』。
2022年に初アナログ化。3枚組のボリュームです。ヒットシングルやサントラ提供曲、フィーチャリング・ヴォーカリストとして参加した客演曲などを聴くことができるのが嬉しいですね。
■中谷美紀 『MIKI』
中谷美紀 『MIKI』 2LP (WQJL-162/3) / Japan / 2022
2001年に発表された中谷美紀のベスト・アルバム『MIKI』。
90年代から2000年代初頭に、坂本龍一をプロデューサーに迎えて制作した楽曲をコンパイルした2枚組LP。東洋化成主催の『レコードの日』限定商品として、2022年に初めてアナログ盤が制作されました。
「クロニック・ラヴ」や「フロンティア」「エアーポケット」など、中谷美紀が主演を務めたドラマの主題歌も収録されています。
愛聴ベスト・アルバム10選
最後に、お気に入りのベスト・アルバムを紹介します。
中には、オリジナル・アルバムよりも針を落とす機会が多いレコードもありますね。
(もちろん、これらのベスト・アルバム収録曲以外にも大好きな曲がたくさんありますけど)
■LINDA LEWIS 『HEART STRINGS』
LINDA LEWIS 『HEART STRINGS』 LP (MS 2192) / US / 1974
Reprise Recordsから発表された『SAY NO MORE…』『LARK』『FATHOMS DEEP』の収録曲と、シングル曲で構成された初期ベスト。
1995年に発表された12年ぶりの復活作『SECOND NATURE』で再録された「Sideway Shuffle」を目当てに、初めて買ったリンダ・ルイスのレコードです。
90年代に再評価されたリンダ・ルイスは何度も来日していて、1995年の来日公演の模様を収めたライブ・アルバムも制作されています。私も1997年のブルーノート東京公演を観に行きました。
近年も音楽活動を続けていたリンダ・ルイスがご逝去されたのは、今年の5月(2023年5月3日)。
謹んで哀悼の意を表します。
■KOOL & THE GANG 『SPIN THEIR TOP HITS』
KOOL & THE GANG 『SPIN THEIR TOP HITS』 LP (DSR-9507) / US / 1978
1969年から1976年までの楽曲で構成されたKOOL & THE GANGのベスト・アルバム。
クエンティン・タランティーノ監督作品『パルプ・フィクション』のサウンドトラックにも収録された「Jungle Boogie」をはじめ、ファンク・クラシックの「Funky Stuff」、そして至極の名曲「Summer Madness」など、サンプリングソースとしても知られる人気曲が満載です。
■DENNIS BROWN 『THE BEST OF DENNIS BROWN PART 2』
DENNIS BROWN 『THE BEST OF DENNIS BROWN PART 2』 LP (JGML 6054) / US / 1982
“レゲエの貴公子”と呼ばれたデニス・ブラウンのベスト・アルバム。「Get to Love in Time」や「Ghetto Girl」など、名門レーベルJoe Gibbs Musicから発表されたヒット曲の数々を収録した人気盤ですね。
定番リディム(トラック)「Real Rock」を用いた「Stop the Fussing and Fighting」が最高です。
■RHYTHIM IS RHYTHIM / DERRICK MAY / MAYDAY 『INNOVATOR - SOUNDTRACK FOR THE TENTH PLANET』
RHYTHIM IS RHYTHIM / DERRICK MAY / MAYDAY 『INNOVATOR – SOUNDTRACK FOR THE TENTH PLANET』 12″ (NWKT 21) / UK / 1991
RHYTHIM IS RHYTHIMやMAYDAY名義で発表されたデリック・メイの名曲をコンパイルした6曲入りのアナログ盤。デリック・メイのサイン入りです。
曲数が少ないのでEPとして扱われることが多いようですが、「Strings of Life」や「Nude Photo」などのテクノ・クラシックを収録した人気盤なので、愛聴ベスト・アルバムとして選んでみました。
なお、初アナログ化となる「Hand Over Hand」を加えた2枚組の再発盤が、2020年にリリースされています。
■MONDAY満ちる 『LOOK INTO THE PAST (TO SEE THE FUTURE) 91-97 BEST SELECTION OF MONDAY MICHIRU』
MONDAY満ちる 『LOOK INTO THE PAST (TO SEE THE FUTURE) 91-97 BEST SELECTION OF MONDAY MICHIRU』 2LP (KTJR-9056/7) / Japan / 1997
1997年に発表されたMonday満ちるの初期ベスト。
Kitty Records時代に自己名義で発表した楽曲に加え、MONDO GROSSOやUNITED FUTURE ORGANIZATIONなどの作品にフィーチャリング・ヴォーカリストとして参加した曲も収録されています。
アートワークも素晴らしいので、ぜひ探してみてください。
■JANE BIRKIN 『THE BEST OF JANE BIRKIN VOL.1』
JANE BIRKIN 『THE BEST OF JANE BIRKIN VOL.1』 LP (PHJR-20032) / Japan / 2000
1999年にCDで発売されたジェーン・バーキンの国内企画ベスト・アルバムから、2枚に分けてリリースされたアナログ盤の第一弾(2000年発売)。
野島伸司脚本によるテレビドラマ『美しい人』の主題歌として「L’aquoiboniste」(無造作紳士)が日本でヒットした時期に制作されたものですね。
「Je t’aime… moi non plus」(ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ)や「Ex-fan des sixties」(想い出のロックン・ローラー)などのヒット曲はもちろん、アナログ盤未発売の『VERSIONS JANE』(1996年)から「Ford Mustang」と「La Gadoue」(ぬかるみ)が収録されているので、ターンテーブルに乗せる機会が多いレコードです。
2023年7月16日、闘病を続けていたジェーン・バーキンさんがご逝去されました。
謹んで哀悼の意を表します。
■LAURYN HILL 『AN INVITATION TO THE BEST OF LAURYN HILL』
LAURYN HILL 『AN INVITATION TO THE BEST OF LAURYN HILL』 2LP (LH01 64612) / US / 2000
2000年にリリースされたローリン・ヒルのベスト・アルバム。
1998年に発表された大ヒット作『THE MISEDUCATION OF LAURYN HILL』の収録曲を中心に、「Fu-Gee-La」「Ready or Not」といったFUGEES時代の人気曲や、アレサ・フランクリン「A Rose Is Still a Rose」、ナズ「If I Ruled the World (Imagine That)」などの客演曲で構成されたお得盤です。
■サロメの唇 『魅惑のゴールデンヒット集』
サロメの唇 『魅惑のゴールデンヒット集』 LP (SZDW-1025) / Japan / 2016
2016年にサロメの唇がリリースした『魅惑のゴールデンヒット集』。
過去作品から選出された8曲に、再録曲と新曲を加えた10曲入りのベスト・アルバム。リマスタリングは、ゆらゆら帝国やOGRE YOU ASSHOLE、SCOOBIE DOなどの作品を手がけるエンジニアの中村宗一郎が担当しています。
サロメの唇は、水のさとし(ベース、楽曲制作)と橘京子(ヴォーカル)を中心に構成された歌謡ロック・グループ。ライブハウスやスナック、グランドキャバレーなどで精力的に活動していましたが、2020年11月22日に解散。ライブが非常に良いバンドだったので残念です。
ジャケットのサインは、水のさとしさん、橘京子さん、hi-Luckyさん(ギター)、エミーリーさん(ドラム)。
■SOUL FLOWER UNION 『DANCE HITS 1993-1995』
SOUL FLOWER UNION 『DANCE HITS 1993-1995』 LP (XBVN-0006) / Japan / 2018
ソウル・フラワー・ユニオンのダンスチューンを集めたLPシリーズ企画の第五弾として発売された『DANCE HITS 1993-1995』。
ニューエスト・モデルとメスカリン・ドライヴが統合してソウル・フラワー・ユニオンが結成された1993年から、1995年までの楽曲で構成された作品です。
1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた「満月の夕」(まんげつのゆうべ)を収録。酒井俊、BRAHMAN、アン・サリー、渡辺美里といったジャンルを超えた数多くのアーティストによって歌い継がれる名曲を、ぜひレコードで聴いていただきたいです。
■YELLOW MAGIC ORCHESTRA 『X∞MULTIPLIES』
YELLOW MAGIC ORCHESTRA 『X∞MULTIPLIES』 LP (ALR-28004) / Japan / 1980
米A&M Recordsが制作したコンピレーション・アルバム『X∞MULTIPLIES』の日本盤LP。初めて買ったYMOのレコードです。
高校卒業後に上京した1990年に、中古レコード店の100円コーナーでこのLPを発見。「Technopolis」や「Rydeen」「Nice Age」といった人気曲を収録したYMOのレコードを格安で入手できたことに興奮しました。
中古レコードを掘る楽しさを知った1枚と言ってよいでしょう。
2014年。友人のバンドが出演したあるイベントに、坂本龍一さんも出演。幸運にも、直接お会いする機会に恵まれました。
サインをお願いするために持参したのは、思い入れの強いこのレコードです。
ご存じの方も多いと思いますが、2023年1月11日に高橋幸宏さん、3月28日に坂本龍一さんがご逝去されました。「Solid State Survivor」と「Day Tripper」でギターを弾いているシーナ&ロケッツの鮎川誠さんも1月29日に亡くなられて・・・。
謹んで哀悼の意を表します。
執筆:五辺宏明