岡村靖幸の軌跡をレコードでふり返る
1986年のデビュー以来、熱狂的な支持を集める岡村靖幸。
渡辺美里や吉川晃司、川本真琴、アイナ・ジ・エンドといった数多くのアーティストに楽曲を提供するソングライターとしても活躍。
坂本龍一、石野卓球、斉藤和義 、RHYMESTER、DAOKOらとのコラボレーションによって、世代を超えた音楽ファンから注目される存在です。
近年はアナログレコードのリリースも積極的で、それらの多くはプレミア化しています。限定販売された人気タイトルを入手できず、落胆したことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、岡村靖幸の音楽活動をレコードでふり返ります。
貴重なレア盤なども掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
目次
渡辺美里
岡村靖幸のキャリアを語る上で最も重要なアーティストといえば、渡辺美里。
シンガーソングライターとしてのデビューよりも先に作曲家としての活動をスタートした岡村が、初めて楽曲を提供したアーティストが渡辺美里です。
そして岡村が渡辺美里のレコーディングにコーラスで参加していた際に、空き時間に踊っていたダンスがプロデューサーの目に留まって、ソロアーティストとしてのデビューが決定。
このエピソードは、ファンの間でよく知られています。
■GROWIN' UP
渡辺美里 『GROWIN’ UP』 7″ (07・5H-258) / Japan / 1985
1985年8月25日に発表された渡辺美里の2ndシングル「GROWIN’ UP」。この曲が、プロ作曲家・岡村靖幸の初作品です。
同年10月2日にリリースされた渡辺美里の1stアルバム『eyes』にも「GROWIN’ UP」を含む4曲を提供しています。
■みつめていたい (Restin' In Your Room)
渡辺美里 『My Revolution』 7″ (07・5H-281) / Japan / 1986
1986年1月22日に発表された渡辺美里の4thシングル「My Revolution」。オリコン週間チャートで1位を獲得し、彼女の名を一躍世に知らしめた代表曲です。
作曲者は、まだ無名に近かった小室哲哉。自身が率いるTM NETWORKがブレイクするきっかけとなった「Get Wild」(1987年4月8日発表)よりも先に成功を収めた「My Revolution」は、のちに稀代のヒットメーカーとして名をはせる小室哲哉のターニングポイントとなった曲でもあります。
大ヒットシングル「My Revolution」のB面に収録されたのは、岡村靖幸が作曲した「みつめていたい (Restin’ In Your Room)」。この曲で岡村の存在を知った音楽ファンも多いのでは。
■Lovin' you
渡辺美里 『Lovin’ you』 2LP (42・3H-240~1) / Japan / 1986
1986年7月2日に発表された渡辺美里の2ndアルバム『Lovin’ you』。
10代の邦楽アーティストが初めてリリースした2枚組のアルバムとして知られる本作は、オリコン週間アルバムチャートで1位を記録しています。
岡村靖幸と小室哲哉が8曲ずつ提供した『Lovin’ you』は、両者にとっても重要作。タイトル曲の「Lovin’ you」は、岡村が自身のライブでも取り上げている名曲です。
■Half Moon
渡辺美里 『BELIEVE』 7″ (07・5H-323) / Japan / 1986
1986年10月22日にリリースされた渡辺美里の7thシングル「BELIEVE」。B面に岡村靖幸作曲の「Half Moon」が収録されています。
このシングルが発売された翌々月に、岡村は自己名義のシングルを発表。その後も渡辺美里に多くの楽曲を提供しています(1993年発表の『BIG WAVE』まで)。
1989年10月21日にリリースされた「虹をみたかい」は、オリコン1位を獲得。渡辺美里に「My Revolution」以来となる2度目のシングルチャート1位の座をもたらしました。
レコードが主流だった時代に発売された初期作品
■Out of Blue
岡村靖幸 『Out of Blue』 7″ (07・5H-329) / Japan / 1986
1986年12月1日にEPIC・ソニーから発売された岡村靖幸の1stシングル「Out of Blue」。記念すべきデビュー曲です。今なおライブで披露される「Out of Blue」は、岡村の代表曲のひとつ。
B面は「幾千年分のPAIN」。2005年にリリースされた8CD+2DVDのボックスセット『岡村ちゃん大百科 ~愛蔵盤~』に収録されるまで、この7インチでしか聴けない曲でした。
ソロアーティストとしてデビューした岡村の初ライブは「Out of Blue」をリリースした20日後(1986年12月21日)に日本武道館で開催されたTBS開局35周年記念 『アニバーサリーロックフェスティバル』。渡辺美里 & TM NETWORK、白井貴子 & CRAZY BOYSも出演したイベントとはいえ、デビューライブが武道館とは!
■Check Out Love
岡村靖幸 『Check Out Love』 7″ (07・5H-340) / Japan / 1987
1987年3月5日にリリースされた2枚目のシングル「Check Out Love」。
半月後に発売される1stアルバム『yellow』から先行カットされた7インチ。B面の「彼女はScience Teacher」も『yellow』の収録曲です。
■yellow
岡村靖幸 『yellow』 LP (28・3H-275) / Japan / 1987
1987年3月21日に発表された初のフルアルバム『yellow』。
神沢礼江が作詞した「冷たくされても」を除くすべての作詞作曲を、岡村靖幸が手がけています。編曲は岡村と西平彰。
『yellow』は、地方に住んでいた私が生まれて初めて予約して買ったレコードです。田舎の小さなレコード屋に、無名に近い新人のレコードが入荷するとは思えなかったので、予約して取り寄せてもらいました。
ジャケットに書き込まれているのは、岡村さんの直筆サイン。まさか直接お会いしてサインをもらえる日が来るとは思いませんでした。『yellow』を聴きまくっていた10代の自分に教えてあげたいです。
■Young Oh! Oh!
岡村靖幸 『Young Oh! Oh!』 7″ (07・5H-356) / Japan / 1987
1987年5月21日にリリースされた3枚目のシングル「Young Oh! Oh!」。1stアルバム『yellow』からリカットされた7インチです。
B面「MARIA」はアルバム未収録曲。「幾千年分のPAIN」と同様に『岡村ちゃん大百科 ~愛蔵盤~』で初CD化しています。
■Dog Days
岡村靖幸 『Dog Days』 7″ (07・5H-366) / Japan / 1987
1987年7月22日に発表された4枚目のシングル「Dog Days」。
PSY・SのCHAKAをコーラスに迎えたシングル曲ですが、B面「Shining (君がスキだよ)」と共にオリジナル・アルバムには未収録。
のちに発表された『早熟』(1990年)や『OH! ベスト』(2001年)といったベスト盤に収録されているのは、ヴォーカルを録り直した別バージョンです。
ちなみに、私が最初に入手した「Dog Days」の7インチは、見本盤でした。
岡村靖幸 『Dog Days』 promo 7″ (07・5H-366) / Japan / 1987
放送局やDJ、評論家といった音楽関係者に配布(貸与)するために制作された非売品のレコードです。ラベルに「見本盤」と記載されているのでご覧ください。
ジャケットに「岡村靖幸」という書き込みと、テープを剥がした跡があります。オンエア用の資料として使用するためのメモが貼ってあったのかもしれませんね。
のちに中古レコード店で一般流通盤を見つけたので、そちらも購入。ジャケットの状態が良いものがほしかったので。
上が見本盤で、下が一般流通盤。わずかですが見本盤の方が、ジャケットの印刷が濃いです。
■イケナイコトカイ
岡村靖幸 『イケナイコトカイ』 7″ (07・5H-407) / Japan / 1988
1988年2月1日にリリースされた5枚目のシングル「イケナイコトカイ」の7インチ。
2ndアルバム『DATE』から先行カットされた「イケナイコトカイ」は、プリンスの影響を色濃く反映させた至極のスローナンバー。岡村靖幸はデビュー当時から「好きなアーティストはプリンスと松田聖子」と公言していました。
B面「19才の秘かな欲望」は、渡辺美里の『Lovin’ you』に提供した楽曲のセルフカバー。
なお、同年2月26日に8センチCDが発売。本作からシングルCDが制作されるようになります。
■DATE
岡村靖幸 『DATE』 LP (28・3H-5005) / Japan / 1988
1988年3月21日に発表された2枚目のフルアルバム『DATE』。
有賀啓雄が作詞した「どうかしてるよ」を除くすべての作詞作曲を、岡村靖幸が担当しています。
ちなみに、岡村のコンサートはファンの間で“DATE”と呼ばれていて、ファンクラブの名称も“DATE”。岡村とファンにとって重要な単語です。
なお、アルバム発表時にLP、CD、カセットテープの3形態でリリースされたのは『DATE』と前作『yellow』のみ。3rdアルバム『靖幸』(1989年)は、CDとカセットテープの2形態で一般発売されています。
■SUPER GIRL
岡村靖幸 『SUPER GIRL』 7″ (07・5H-3025) / Japan / 1988
1988年4月21日にリリースされた6枚目のシングル「SUPER GIRL」。
B面の「どうかしてるよ」と共に『DATE』からリカットされたシングルです。
「SUPER GIRL 」は、1988年4月2日から読売テレビ・日本テレビ系列で放送された人気アニメ『シティーハンター2』のエンディングテーマに起用されました(第1話から第37話まで)。
オリコン週間シングルチャートの最高順位は92位とのこと。TM NETWORKが提供した『シティーハンター』シリーズ1作目のエンディングテーマ「Get Wild」(オリコン週間9位/年間22位)のような大ヒットには至らなかったものの、この曲で岡村靖幸というアーティストの存在を知った方も多いことでしょう。
CDが主流となった時代に制作された非売品レコード
■だいすき / 聖書 -バイブル-
岡村靖幸 『だいすき / 聖書 -バイブル-』 promo 7” (YKS-035) / Japan / 1988
1988年9月21日に発表された7枚目のシングル曲「聖書 (バイブル)」と、同年11月2日に発表された8枚目のシングル曲「だいすき」をカップリングした7インチ(岡村さんのサイン入り!)。有線放送用に制作された非売品のレコードです。
どちらも8センチCDで発売されたシングルで、アナログ盤は一般発売されていません。
80年代後半以降に制作された国内アーティストの新譜は、CDしか発売されなかったものが多いので、有線放送用のレコードはとても貴重です。
■ラヴ・タンバリン
岡村靖幸 / 松岡英明 『ラヴ・タンバリン / スタディ・アフター・スクール』 promo 7” (YKS-078) / Japan / 1989
1989年4月21日に発表された9枚目のシングル曲「ラブ タンバリン」の有線放送用7インチ。このシングルも、一般発売されたのは8センチCDだけですね。
8センチCDのパッケージには「ラブ タンバリン」と記載されていますが、この7インチは「ラヴ・タンバリン」と書かれています。
なおB面は、松岡英明「スタディ・アフター・スクール」。有線放送用のレコードは、異なるアーティストの楽曲を収録したものも少なくありません。
■靖幸
岡村靖幸 『靖幸』 promo LP (YKL-034) / Japan / 1989
1989年7月14日に発表された3rdアルバム『靖幸』。
自らのファースト・ネームをタイトルに冠したこのアルバムから、作詞、作曲、編曲、プロデュースをすべて岡村靖幸が担当。「聖書 (バイブル)」も有賀啓雄が編曲したシングル・バージョンではなく、岡村自身がアレンジした別バージョンが採用されています。
ホンダNEWトゥデイのCMソングに起用され、岡村靖幸の名を広く世に知らしめた名曲「だいすき」を収録した本作は、オリコン週間アルバムチャートで4位を記録しました。
一般発売されたのはCDとカセットテープの2形態ですが、有線放送用のアナログ盤が制作されています。この有線放送用LPのラベルには「ラブ・タンバリン」(ラブ/中黒あり)と記載されていますね。
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残念ながら入手できておりませんが、11thシングル「Peach Time」(1990年)を収録した有線放送用のオムニバスLPや、プロモーション用に制作された18thシングル「Peach X’mas」(1995年)、19thシングル「ハレンチ」(1996年)の12インチといった非売品レコードも存在します。
00年代に制作されたアナログレコード
岡村靖幸は90年代に『家庭教師』(1990年)、『禁じられた生きがい』(1995年)のアルバム2作品及びシングルやベスト・アルバムを発表しています。しかし前述したように、当時制作されたアナログレコードは非売品のみ。一般流通盤は発売されていません。
久々にアナログ盤が一般発売されたのは、2000年。
■SEX
岡村靖幸 『SEX』 12″ (SYUM0142) / Japan / 2000
2000年2月26日にリリースされた12インチ・シングル。1988年のシングル「SUPER GIRL」以来、12年ぶりに一般発売された岡村靖幸のアナログ盤です。
A面に8分超えの長尺曲「SEX」。B面にMike SkiとCOLDFEETによるリミックスを収録した3曲入り。
一般的にCDが主流だった2000年前後は、DJやコアなリスナーの間でアナログ盤の人気が高い時代でもありました。ヒップホップやダンスミュージック、オルタナティブロックなどの国内アーティストが当時リリースした人気タイトルは、現在も高値で取引されているものが多々あります。
■マシュマロ ハネムーン feat. Captain Funk
岡村靖幸 『マシュマロ ハネムーン feat. Captain Funk』 promo 12″ (QDJB 93026) / Japan / 2001
2001年3月28日に発表された「マシュマロ ハネムーン」。
Captain Funkことオオエタツヤをフィーチャーした22枚目のシングルで、同時発売されたベスト・アルバム『OH! ベスト』に新曲として収録されています。
アナログ盤は、プロモーション用の非売品12インチのみ。収録内容はCDと同じです。
■come baby
岡村靖幸と石野卓球 『come baby』 12″ (SYUM 0238 / LPA 035) / Japan / 2002
2002年10月25日に発売された「come baby」の12インチ。電気グルーヴの石野卓球と共作したシングルです。
オリジナル・バージョンと岡村、石野、Dr. Shingoによるリミックスを収録した4曲入り。
「come baby」は、2003年12月17日に“岡村と卓球”名義で発表されたコラボレーション・アルバム『The Album』(CDのみ)にも収録されました。
なお、同年8月2日に岡村がフィーチャリング・ヴォーカリストとして参加したajapaiの12インチ・シングル「DAI-SHA-RING」が、タワーレコード限定でリリースされています(残念ながら未入手)。
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石野卓球とのコラボ作『The Album』を除くと、00年代に岡村靖幸が制作したアルバムは、2004年9月1日 にユニバーサルミュージック傘下のDef Jam Japanから発表した『Me-imi』のみ。このアルバムも発売されたのはCDだけです。
ちなみに『Me-imi』の先行シングルとして発売された「モン・シロ」の非売品ミニアナログ盤も存在しますが、こちらも入手できておりません。
「モン・シロ」 のシングルCDと、ライブDVD+CD『Symposium 〜岡村靖幸 フレッシュボーイTOUR 2003〜』の両タイトル購入者だけが応募することができた激レア盤です(抽選で100名のみ!)。
インディーズ・レーベルから再出発
■エチケット
2003年、2005年、2008年に、覚せい剤取締法違反により有罪判決(2度の実刑判決)を受けた岡村靖幸。
2011年に岡村の復帰作を発表したのは、インディーズ・レーベルのV3 Recordでした。
2011年8月24日、V3 Recordからリリースされた初のセルフ・リアレンジ・アルバム『エチケット』。
収録曲が異なる2枚のCD(ピンクジャケット/パープルジャケット)で発表された本作は、『Me-imi』以来となる7年ぶりのアルバムです。
懲役2年の実刑判決を受けた岡村の復帰作として話題を呼んだ『エチケット』の2タイトルは、発売初週にオリコンのインディーズ・ランキング1、2位を独占しました。
本作のディストリビューターであるディスクユニオンは、2枚のCDにTシャツやライブチケットを組み合わせた限定セットを独占販売。
特典として、7インチも封入されました。
■東京ベイベ / 北海道ベイベ
岡村靖幸 『東京ベイベ / 北海道ベイベ』 7″ (V3EP 001) / Japan / 2011
「東京ベイベ」と「北海道ベイベ」をカップリングした7インチ。どちらも即興のライブ音源です。
この特典盤を目当てに限定セットを購入したファンも多いはず。
■エチケット(ピンクジャケット)
岡村靖幸 『ÉTIQUETTE (Pink Jacket)』 LP (V3LP-1) / Japan / 2011
CDが発売された翌月(2011年9月)に行われたツアー『2011 岡村靖幸LIVE “エチケット”』の会場にて『エチケット』のアナログ盤を先行発売。10月19日より初回受注生産限定で一般発売も開始されました。
『エチケット』はライブ音源をベースに制作された作品です。
ピンクジャケットに選ばれた楽曲は、2ndアルバム『DATE』収録曲の「SUPER GIRL」「19 (nineteen)」「いじわる」、3rd『靖幸』から「だいすき」「友人のふり」「Có mon」、4th『家庭教師』から「カルアミルク」、6th『Me-imi』から「5!! モンキー」、岡村と卓球『The Album』から「Adventure」。
■エチケット(パープルジャケット)
岡村靖幸 『ÉTIQUETTE (Purple Jacket)』 LP (V3LP-2) / Japan / 2011
ピンクジャケットと同時発売されたパープルジャケットのアナログ盤。
選ばれた楽曲は、『DATE』から「DATE」、『靖幸』から「だいすき」、『家庭教師』から「どぉなっちゃってんだよ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」「祈りの季節」、『Me-imi』から「モン・シロ」、岡村と卓球『The Album』から「アルファ イン」、シングル曲の「マシュマロ ハネムーン」「セックス」。
「だいすき」はピンクジャケットにも選出されていますが、バージョンが異なります。
■ビバナミダ
岡村靖幸 『ビバナミダ』 12″ (XQME-94001) / Japan / 2013
2013年10月2日にV4 Recordから発表された26枚目のシングル「ビバナミダ」。2014年1月から放送されたSFアニメ『スペース☆ダンディ』(TOKYO MX他)の主題歌に起用され、新たなファン層を獲得した人気曲です。
カップリングは「ヘルシーメルシー」。現代美術家の会田誠が手がけた描き下ろしたジャケットも話題を呼びました。
10月に行われたツアー『岡村靖幸LIVE 2013 “アイボリー”』の会場限定で販売されたアナログ盤は、入手できなかったファンの要望に応え、12月18日より一般発売されています。
■東京音頭
木津茂里×岡村靖幸 『東京音頭』 7″ (UBKA-9001) / Japan / 2015
“木津茂里×岡村靖幸”名義で発表されたシングル「東京音頭」。
民謡歌手/太鼓奏者の木津茂里(きつ しげり)が2014年10月8日に発表した初のフルアルバム『SHIGERI BUSHI』に収録された「東京音頭」を、岡村靖幸がリ・プロデュース。ほぼすべての楽器を岡村が演奏しています。ヴォーカルは木津が担当。
掲載したレコードは、2015年7月8日に一般発売された7インチ。同年4月26日からスタートした『岡村靖幸LIVE TOUR 2015 “This is my life”』の会場で限定販売された先行盤CDとはジャケットが異なります。
■幸福
岡村靖幸 『幸福』 LP (XQME-94002) / Japan / 2016
2016年1月26日に発表された7thアルバム『幸福』。オリジナル・アルバムとしては前作『Me-imi』から11年半ぶりとなる作品です。このジャケットも会田誠によるものですね。
「ビバナミダ」や映画『みんな!エスパーだよ!』の主題歌「ラブメッセージ」、Base Ball Bearの小出祐介とのコラボ曲「愛はおしゃれじゃない」などを収録し、幅広い層からの支持を得た『幸福』は、オリコン週間アルバムチャートで3位を記録。25年10ヵ月ぶりのトップ3入りを果たしました。
本作には、オフィシャルサイトのプレオープンに合わせて2011年8月に公開された「ぶーしゃかLOOP」の別バージョンも収録されています。
アナログ盤は、同年4月9日よりスタートした『岡村靖幸 2016 SPRINGツアー “幸福”』の会場で販売開始。7月6日から一般発売されました。
■ステップアップLOVE
DAOKO×岡村靖幸 『ステップアップLOVE』 12″ (TFJP-38030) / Japan / 2017
2017年10月18日に“DAOKO×岡村靖幸”名義で発表されたシングル「ステップアップLOVE」。2015年3月に高校生にしてメジャーデビューを果たしたDAOKOとのコラボ曲です。
アニメ『血界戦線 & BEYOND』(TOKYO MX他)のエンディングテーマにも起用された「ステップアップLOVE」は、若い世代のリスナーからも注目を浴び、オリコン週間シングルチャートで8位を記録しています。
アナログ盤は、同年11月に開催された『岡村靖幸 2017 FALL~WINTER TOUR “レッド”』の会場で限定販売。
B面には、萩本欽一のドキュメンタリー映画『We Love Television?』(監督・土屋敏男)の主題歌「忘らんないよ」が収録されています。
残念ながらライブを観に行けなかったので、12インチを入手することができませんでした。
掲載した画像は、MIONで取り扱われていた商品を撮影したものです。
■少年サタデー
岡村靖幸 『少年サタデー』 12″ (XQME-94003) / Japan / 2019
2019年1月23日に発表された30枚目のシングル「少年サタデー」。
カップリングに「SUPER GIRL」の新録2バージョンと新曲「セクシースナイパー」を収録した4曲入りです。
このシングルのアナログ盤も、2019年4月から6月にかけて行われた『岡村靖幸 2019 SPRINGツアー “セレブリティ”』の会場で先行販売。ツアー終了後に一般発売されています。
「少年サタデー」は、2018年10月よりTBS系列の情報バラエティ番組『王様のブランチ』のテーマ曲として半年間オンエアされていたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
■マクガフィン(12inch)
岡村靖幸さらにライムスター 『マクガフィン』 12″ (XQME-94004) / Japan / 2020
2019年11月27日に“岡村靖幸さらにライムスター”名義で配信された「マクガフィン」。日本語ラップ・シーンを牽引するRHYMESTERと共作した楽曲です。
掲載したレコードは、岡村さんとDJ JINさん(RHYMESTER)のサイン入り12インチ・シングル。
2020年1月22日に発売されたこの12インチは、予約の段階で完売したショップが多く、店頭に並んだ枚数は極少量だったと思われます。
レコード・コラムの特別企画として行われたDJ JINさんのインタビューも、ぜひご覧ください。
■操
岡村靖幸 『操』 LP (V4-001) / Japan / 2020
2020年4月1日に発表された8thアルバム『操』(みさお)。
「マクガフィン」や「少年サタデー」「ステップアップLOVE」を収録した本作は、オリコンのデイリーチャートで2位、週間チャートで3位を記録しています。
『操』のアナログ盤は当初、4月4日から開催が予定されていた『岡村靖幸 2020 SPRING ツアー “操”』の会場で販売されることになっていました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響によってツアーが延期。4月28日よりオフィシャルサイトで販売が開始されました。「ステップアップLOVE」の12インチを買い逃していたので、是が非でも入手したかったレコードです。
■ぶーしゃかloop
岡村靖幸 『ぶーしゃかloop』 12″ (V4-002) / Japan / 2021
2021年3月1日よりオフィシャルサイトで販売された12インチ・シングル『ぶーしゃかloop』。
3月21日にスタートした『岡村靖幸 2021 SPRINGツアー “操”』(~6月24日まで)の会場でも販売され、5月半ばから店頭にも並んでいます。
2011年に無料配信された「ぶーしゃかLOOP」を新たにミックスし直した「ぶーしゃかloop (vinyl mix)」と、スラップベースが鳴り響くヘビーファンク仕様に変貌した「BOOM SHAKA」、そして宇多田ヒカル「Automatic」のカバーを収録。
■ぐーぐーちょきちょき
岡村靖幸 『ぐーぐーちょきちょき』 12″ (V4-003) / Japan / 2021
NHK『みんなのうた』のために書き下ろされた「ぐーぐーちょきちょき」。2021年2~3月にオンエアされ、3月10日にCDで発売された32枚目のシングル曲です。
アナログ盤は『岡村靖幸 2021 SPRINGツアー “操”』から販売される予定でしたが、初日のLINE CUBE SHIBUYA公演に間に合わず、受注受付のみ。同公演で注文した方には、岡村靖幸の直筆サイン入りレコードが届いたそうです。
4月7日より一般販売がスタート。店頭に並んだのは『ぶーしゃかloop』よりも先だったようですね。
ファンク・チューンのB面「俺だけのバッシュー」も必聴です。
「21世紀の家庭教師」プロジェクト
2021年6月24日に公式サイトで発表された「21世紀の家庭教師」プロジェクト。名盤の誉れ高い4thアルバム『家庭教師』及び同作からカットされた3枚のシングルをアナログ化する企画です。
1990年11月16日にCDとカセットテープの2形態でリリースされた『家庭教師』。このプロジェクトが始動するまで、アナログ盤は一度も生産されていません。
■どぉなっちゃってんだよ
岡村靖幸 『どぉなっちゃってんだよ』 7″ (MHKL 50) / Japan / 2021
「21世紀の家庭教師、一限目」と題して、1990年7月21日に発表された先行シングル「どぉなっちゃってんだよ」を7インチ化。オリジナルのシングルCDの発売日と同じ7月21日にリリースされました。
なお「21世紀の家庭教師」プロジェクトでアナログ化した4タイトルは、すべてオリジナルのCDと同じ発売日にリリースされています。
■あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
岡村靖幸 『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』 7″ (MHKL 51) / Japan / 2021
「21世紀の家庭教師、二時限目」と題して2021年10月10日に発売された「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」の7インチ。1990年10月10日に発表された13枚目のシングルです。
ちなみにA面は45回転ですが、B面の「ホームシックVersion」は33回転になっているのでご注意ください。
■家庭教師
岡村靖幸 『家庭教師』 LP (MHJL 174) / Japan / 2021
2021年11月16日、遂に『家庭教師』のアナログ盤が発売されました。180g重量盤です。
ミラーギミックの特殊仕様ジャケットは、渋谷系をはじめ数多くのレコードやCDのアートワークを手がけた信藤三雄によるもの。
ラベルが見えるようにレコードを入れると、CDと同じデザインになります。
CD発売時に配布されたフリーペーパー『WORDS of MOUTH』“家庭教師”発売記念号の完全復刻版が封入されていました。
さらに特製スリーブケースも付属。こちらは先着購入特典です。
特製スリーブケース付きは将来、レアアイテム化するかもしれませんね。
手ばなす際は、MIONアップサイクルにぜひご連絡ください。
■カルアミルク
岡村靖幸 『カルアミルク』 7″ (MHKL 52) / Japan / 2021
「21世紀の家庭教師、四限目」と題して2021年12月1日に発売された「カルアミルク」の7インチ。1990年12月1日に発表された14枚目のシングルです。
なお「21世紀の家庭教師」プロジェクトの7インチは、すべて見開きジャケット仕様。
当時の8センチCDのアートワークを再現しています。
2023年に発売されたコラボ7インチ
■マクガフィン(7inch)
RHYMESTER 『マクガフィン / なめんなよ1989 feat. hy4_4yh』 7″ (HR7S292) / Japan / 2023
2023年6月21日に発表されたRHYMESTERの12thアルバム『Open The Window』から、アナログカットされた7インチ。DJ JINさんのサイン入りです。
CDとデジタルでリリースされた『Open The Window』の全楽曲を収録した7インチ6タイトルを、2023年9月29日に一斉発売。同アルバムに収録された「マクガフィン」も、初の7インチ化が実現しました。
■NEVER GONE
ミッキー吉野 『NEVER GONE feat. 岡村靖幸』 7″ (GMT64) / Japan / 2023
2023年11月3日に発売されたミッキー吉野と岡村靖幸のコラボシングル「NEVER GONE」。
アナログレコード・プレスメーカーの東洋化成が主催する国内最大級のレコードイベント『レコードの日 2023』のリリースアイテムとして制作された7インチです。
ゴダイゴのリーダーとして知られるミッキー吉野が、2021年に発表したセルフ・トリビュート・アルバム『Keep On Kickin’ It』からのシングルカット。世代を超えた豪華アーティストが参加した同作に収録された唯一の書き下ろし曲です。
斉藤和義との新ユニット“岡村和義”のアナログレコード
■I miss your fire / 春、白濁
岡村和義 『I miss your fire / 春、白濁』 12″ (DDJZ-9002) / Japan / 2024
2023年末に結成された岡村靖幸と斉藤和義の新ユニット“岡村和義”。
2024年1月17日に配信されたデビュー曲「I miss your fire」を皮切りに、5ヵ月連続デジタルリリースを発表。期間限定のオフィシャルファンクラブ「OK CLUB」も発足されました。
2024年4月17日には、初のフィジカル作品となるアナログレコードをリリース。「I miss your fire」と同年2月14日に配信された「春、白濁」をカップリングした12インチ・シングルで、B面にそれぞれのインスト版が収録されています。
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以上、(楽曲提供やリミックスなどで参加した他アーティスト名義の作品を除いた)我が家にある岡村靖幸のレコードを可能な限り掲載しました。
残念ながら「ステップアップLOVE」の12インチをはじめ、入手できていない非売品や限定盤が多数あります。
岡村靖幸のレコードは、高値で取引されているものも少なくありません。手ばなす際は、MIONアップサイクルにぜひご連絡ください!
執筆:五辺宏明